BitLocker回復キーは、暗号化されたドライブにアクセスする際に問題が発生した場合の重要なバックアップ手段です。この記事では、BitLocker回復キーを確認するための様々な方法を詳しく説明します。
- Microsoftアカウントでの確認
BitLockerを設定する際にMicrosoftアカウントを使用していた場合、回復キーはオンラインで確認できます。
手順: a) ブラウザでMicrosoftアカウントのページ(account.microsoft.com/devices/recoverykey)にアクセスします。 b) Microsoftアカウントでログインします。 c) 「デバイス」セクションに移動し、対象のデバイスを選択します。 d) 「BitLocker回復キー」を探し、表示されているキーを確認します。
注意点:
- 複数のデバイスがある場合は、正しいデバイスを選択していることを確認してください。
- 回復キーは長い数字の文字列です。これを安全な場所に保存しておくことをお勧めします。
- ローカルコンピューターでの確認(管理者権限必要)
BitLockerを設定した際に回復キーをローカルに保存した場合、以下の手順で確認できます。
手順: a) 「スタート」メニューを開き、「cmd」と入力します。 b) 「コマンドプロンプト」を右クリックし、「管理者として実行」を選択します。 c) コマンドプロンプトで以下のコマンドを入力し、Enterキーを押します: manage-bde -protectors -get C: (注: C:はBitLockerで暗号化されたドライブを指します。必要に応じてドライブ文字を変更してください) d) 表示された情報の中から「数値パスワード」を探します。これがBitLocker回復キーです。
注意点:
- このメソッドは管理者権限が必要です。
- 暗号化されたドライブが複数ある場合は、各ドライブに対して個別にコマンドを実行する必要があります。
- グループポリシーを使用した確認(企業環境向け)
企業環境では、BitLocker回復キーがActive Directoryに保存されている可能性があります。
手順: a) 「スタート」メニューを開き、「gpmc.msc」と入力して「グループポリシー管理」を開きます。 b) 左側のツリーで対象のOrganizational Unit(OU)を選択します。 c) 「BitLocker Drive Encryption」ポリシーを見つけ、設定を確認します。 d) 「Choose how BitLocker-protected operating system drives can be recovered」の設定を探します。 e) ここでBitLocker回復情報の保存方法が指定されています。通常は「Backup recovery passwords and key packages to AD DS」が有効になっています。
注意点:
- この方法はドメイン管理者権限が必要です。
- 具体的な回復キーの確認には、Active Directoryユーザーとコンピューター(dsa.msc)ツールを使用する必要があります。
- TPM(Trusted Platform Module)チップを使用している場合
TPMチップを使用している場合、回復キーはTPMに保存されている可能性があります。
手順: a) 「スタート」メニューを開き、「tpm.msc」と入力してTPM管理コンソールを開きます。 b) 「アクション」メニューから「TPMの準備」を選択します。 c) 画面の指示に従って進み、回復キー情報が表示されるかを確認します。
注意点:
- TPMの設定によっては、回復キーが直接表示されない場合があります。
- TPMの操作には特別な注意が必要です。不適切な操作はシステムに影響を与える可能性があります。
- レジストリを使用した確認(上級者向け)
最後の手段として、Windowsレジストリを確認する方法があります。ただし、この方法は上級者向けで、レジストリの誤操作はシステムに深刻な影響を与える可能性があるため、十分な注意が必要です。
手順: a) 「スタート」メニューを開き、「regedit」と入力してレジストリエディターを開きます。 b) 以下のパスに移動します: HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\SystemCertificates\FVE c) 「ProtectorDescriptors」キーを探し、その中の値を確認します。
注意点:
- レジストリの操作は極めて慎重に行ってください。
- この方法で回復キーが見つからない場合もあります。
まとめ:
BitLocker回復キーの確認方法は複数ありますが、最も確実な方法はBitLockerを設定した際に回復キーを安全な場所に保存しておくことです。定期的に回復キーの場所を確認し、必要に応じて更新することをお勧めします。
また、BitLocker回復キーは極めて重要な情報です。この情報が第三者の手に渡ると、暗号化されたデータにアクセスされる可能性があります。そのため、回復キーの保管には細心の注意を払い、安全な方法で管理してください。
最後に、企業環境でBitLockerを使用している場合は、必ずIT部門のポリシーに従ってください。多くの場合、回復キーの管理は中央で行われており、個人での確認や保管が禁止されている可能性があります。
この記事について、さらに詳しい説明や特定の部分についての追加情報が必要な場合は、お知らせください。
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