Googleスプレッドシートでデータを整理していると、「空白の行を飛ばして並べ替えたい」「条件に合うものだけを整列させたい」というシーンに直面することがあります。
手動での並べ替えも可能ですが、関数を使えば、空白を除いて自動で並び替えることもできます。
この記事では、SORT
関数と FILTER
関数を組み合わせて、空白行を除外しながら並べ替える方法を、具体例付きでわかりやすく解説します。
スプレッドシートの基本的な並べ替え方法
まずは、スプレッドシートでの基本的な並べ替えについて確認しておきましょう。
もっとも簡単なのは、メニューの「データ」→「並べ替え範囲」を使う方法です。
昇順または降順で、選択した範囲の中から1列を基準に並び替えられます。
しかしこの方法にはいくつかの制限があります。
たとえば、空白行も並び替えに含まれてしまうため、データの整合性が崩れやすく、自動更新にも対応していません。
そこで便利なのが、SORT
関数です。関数を使えば、新しく追加されたデータも含めてリアルタイムで並び替えられます。
SORT関数だけでは空白は除けない?
SORT
関数の基本形は次の通りです。
これは、A2からB10までの範囲を、2列目(つまりB列)で昇順に並べるという意味です。
この方法自体は便利ですが、空白行があってもすべて並び替えに含まれてしまいます。
特定の列が空欄の行を除外したいときには、このままでは不十分です。
FILTER関数と組み合わせることで空白を除外できる
そこで登場するのが FILTER
関数です。FILTER
関数は、指定した条件を満たす行だけを抽出してくれる関数です。
たとえば、次のように書くことで、B列が空欄でない行のみを抽出することができます。
これに SORT
を組み合わせると、空欄の行を除外して並び替えることができます。
空白を除いて並べ替える具体的な式
以下が、実際に空白を除いて並べ替える式の例です。
この式の意味は次の通りです。
-
FILTER(F37:G268, B37:B268<>"")
:B列が空でない行だけを対象にする -
SORT(..., 2, FALSE)
:G列(2列目)を基準に降順で並べ替える
これにより、B列が空欄の行は無視され、G列の値を基準に整然と並びます。
実例:営業データを並び替えてみよう
以下のようなデータがあるとしましょう。
担当者名 | 顧客名(B列) | 売上(G列)
佐藤 | A社 | 120万円
鈴木 | (空白) | 90万円
高橋 | B社 | 150万円
このとき、B列
が空欄の行(鈴木さんのデータ)を除外して、売上金額で降順に並び替えたい場合、次のようにします。
これにより、**高橋(150万)、佐藤(120万)**の順に表示され、空欄の鈴木さんの行は除外されます。
空欄の行も下に並べたい場合はこうする
空白の行を「削除」ではなく「下に並べるだけ」にしたいケースもありますよね。
そんなときは、次のように中カッコ {}
を使って上と下を連結することで実現できます。
この式は次のような動きをします。
-
B列が空欄でない行を、G列の降順で並べる(上段)
-
B列が空欄の行を、そのままの順で下に追加する(下段)
これで、空欄データも大切に扱いながら、見栄えの良い並べ替えができます。
よくある質問と注意点
Q. 関数をどこに書けばいいの?
A. F37:G268
を参照している場合、その**外側(例:I2など)**に書きましょう。同じ場所に書くと循環エラーになります。
Q. 並び替えた結果を上書きしたいときは?
A. コピー → 値のみ貼り付け で手動で上書きできます。
Q. 複数条件で並べ替えできますか?
A. できます。条件を複数の FILTER
に組み合わせればOKです。
まとめ
Googleスプレッドシートで「空白を除外して並べ替えたい」ときは、SORT
関数と FILTER
関数の組み合わせが非常に有効です。
手動で並べ替える手間もなくなり、新しくデータを追加しても自動で並び変わるため、日々の業務にもピッタリ。
関数の仕組みを理解すれば、データ処理のスピードと正確性が一気にアップします。
この記事を参考に、ぜひ自分のスプレッドシートにも活用してみてください!
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